日々の妄想の墓場。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
旅行戦記も真ん中にきました3日目。
右からフォックス:俺・リンク:香夜嬢・プリン:友人R
今日は友人Rがわざわざ来てくれる日。
夕方もそこそこにいざ往かん。
駅前のコンビニでアイス食べてたら声かけられたー♪(お嬢が)。
しかも相手はいい年こいたジジイ。
なんでもばぁさんの見舞に行くんだとか。
だったら早く行きやがれこのくたばりぞこないが!誰の連れに手掛けてんだモデルガンではっ倒すぞこの野郎と米神に血管が浮いていましたがお嬢が笑って親切そうに相手をしているので俺もなるべく愛想よく返しました。
あと3分でも電車来るの遅かったら失せろ消えろの一言ぐらい言っていたかもしれません。
不良かって?違いますよ老若男はどんな態度をとってもいいと思ってるだけです。
まぁこの後十数時間後に街中で友人Rとお嬢を連れてる時に若い頭悪そうな奴に声変えられるんですが。
友人Rやお嬢は無視しとけばいいってーとか言うんですが、それはこっちじゃ通用しにくいの!本当に!
何のためにこの街は暗闇や曲がり角が多いと思ってるんだ。
一歩道逸れたらあっという間にそっちの世界。
からかいならば良いものだが、相手がマジなら女の子なんてあっという間に車の陰や胡散臭そうな場所に引き倒されて大変な目にあうのがこっちのお国の常識です。
助けなんてのは見て見ぬふり。誰にも言わないけど助けもしない。都会なんてそんなものです。
万一捕まっても連れているのが1人ならば俺とてどうにか逃げるだろうが連れが2人ならしょうがない。
相手を病院送りにするまで近くのもので殴るだろうなぁというためらいなさがある。
いざって言う時にためらわないことさ!
話が逸れました。
待っている間時間を潰すため京都駅周りを歩く。
俺にとってはほぼ毎日歩いているところだが。
本屋や地下街をうろつき回り、腹が減ったのでオムライスを食べる。
なんか野菜避けた気がしなくもない。
食べ終わって待つこと3、4時間。ようやく友人Rと再会。
そのまま監獄の料理屋にGO。
相変わらず禍々しい。けどそれが売りなんだよなぁとドアを開ける。
さーて飲み会開始ー!
ロシアンソバとロシアンコロッケを食べてロシアンソバに俺は一発で当たりました。
一本口に入れた瞬間ぶはぁ。俺ワサビだめなんだってば・・・・。
その後イベントが始まってわーわー騒いだり友人Rの一気コールで俺が酒一気してたせいで店員さんラストオーダー聞きに来たのに部屋に入り辛そうにしてたり。
俺はほどほどのほろ酔い・・・というか宵の口?みたいなものだったがお嬢の顔色があんまり優れなくて大丈夫かと思った。
でもとりあえずカラオケにGO。
ウガに当たったせいかなぜか皆でアニソン大会。
歌い疲れて声が掠れてきたらキャラのセリフを言ってみたり。
どうやら俺はナルシスト系の声が合っているそうです。
・・・・・納得いかねぇ!!
俺の家につけばほぼ皆でダウン。
もー寝る。寝るぞ。起こすな。
起きたら昼過ぎで友人Rが俺に嫌われる夢を見たと言った。
ありえ無いから安心しんさい。むしろ逆があり得そうで俺は怖い。
翌日友人Rを送ってお嬢のお土産待ちをする。
本屋にてO/型/説/明/書ゲット!これで全冊揃ったぜ!
薄いので電車待ちに読むのにちょうど良い。
そういえば先日ガッコに寄った帰り、祭りがあったんですヨ。
まだ準備中でしたけど。
ああ、祭りか良いなぁと昔を思い出しました。そう、あれは中坊ぐらいのころ・・・。
的当て屋の親父『嬢ちゃん胸ねぇなぁ!』
俺『・・・俺は男です』
・・・駄目な記憶がよみがえった。
それはさておき。
買い物を終えたお嬢と共に帰路に着く。
土産に対する熱意を教えられた。
さぁ次の日はインテ!というわけで遠足が待ち遠しい小学生の如く眠れない夜を過ごしました。
時代劇妄想の続き。
「・・・親分」
障子の手前で声をかける。
ろうそくに照らされ揺らめいた影が障子紙から透けて見えた。
「食事・・・持ってきたけど」
つい、と障子を掴んで右に押す。
ロウで滑りを良くしている戸はカラカラという音を立てて軽く開いた。
一歩入ればそこは紫煙の間。
うっすらと苦い香りが立ち込める。
いつもよりきつい匂いがしないのは窓を開けているからだろう。
親分は窓の傍で座っていた。煙を外に向かって吐いている。
「酒・・・貰ったようだから、つまみにした・・・」
「・・・ああ、こっちまで持ってこい」
カンカンと俺を呼ぶようにキセルで窓の縁を叩く。
それにあらがうこともなく、種々のつまみを乗せた盆を持って寄った。
と、と、と、と、と世の女であれば大股ぐらいの足幅で歩く。
こうして歩けるのも俺の服が世のものとは違っているからだ。
緑を主体にした、武人のような服。
親分が言うには別の国の民族衣装に近いらしい。
動きやすさを重視しているから装飾類や飾り模様はほとんどない。
かっちり着こむ様に色気がないと言われてしまえばそれまでだが、出す必要もなかった。
「親分・・・」
「見ろ、輪(りん)。今日は月が細い」
言われるままに窓の外を見上げてみれば見事な上弦の月が輝いていた。
猫の爪のようなそれにしばし見とれてしまう。
気がつけば月を見ていた隻眼の目が俺を捉えていた。
無表情とも言えない、なんとも言えない顔だ。
「・・・?」
計りかねて首を傾けてみる。
僅かに耳に当たるその草の感触。
ああ、これを見ていたのか。
「その花―――どうした」
「狐に、もらった」
動じずに答えたら親分の顔が苦虫を噛んだような顔になった。
どうもここ100年の間、俺が狐と何かあるとああいう顔をする。
「花なんざその辺に活けりゃあいいだろ」
「これが・・・枯れる頃に、狐が・・また来ると、言うから・・・」
別に早く枯れさせたいわけではない。
だがいずれ枯れるというのならば傍にありたい。
もし枯れる前までに来たら、花を挿した俺を見れる。
それだけのことなのだ。
「・・・そうか」
親分は一旦下を向くと、箸を掴んでつまみを食い始めた。
「・・・親分」
「・・・なんだ」
機嫌が悪いというよりは、困ったような声で返してくる。
俺が花を指しているだけで何だというのだろう。
「・・・俺も、いて・・・いいか・・・?」
「好きにしろ」
短く言い捨てるとまたキセルを掴む。
窓を左に見つつ、俺は少しだけ足を崩して親分の斜めに座った。
ひときわ大きく親分が紫煙の煙を吐き出した後、低い声で呟いた。
「てめぇは・・・狐と世界を見て回りたいか?」
「・・・え?」
きょとんとした顔で親分を見る。
そんな俺を、親分は馬鹿な犬を見るような眼で見た。
「・・・まだ早ぇ話だったか」
「何の、ことだ?・・・狐と、俺が、何かあるのか・・・?」
「忘れろ。なんでもねぇ」
カツンとキセルが親分の牙に当たって響く。
今は吸わないで銜えているだけらしい。
何をしても、絵になる人だ。
いつだって隙がなくて、かと思えば横で急に眠ったり。
父親ではあるが、その前に親分であると心に誓ったのはいつの頃だったか。
「・・・・・・・」
互いに黙りこんで、同じように月を見上げた。
ふと、月光に過去が蘇ってくるような心地を感じる。
もはや遠く薄れた記憶の中でかけらに残る映像。
母――道主日女命(みちぬしひめのみこと)が父を探して盟酒を注げと言う。
目の前には数多の神。父とは――誰だ、どこにいるんだ。
この時俺の父は誰だがわからなかった。母も父を知らなかった。
母は俺の父を見つけるために俺に酒を注いで来いという。
母が知らないものを、俺が知るはずないのに。
厄介なもので神々の子の為し方は人の子のように抱き合わずともできる。
たとえば想いを添えて手を繋いだり、己の身体の肉を切り離したりしてできる。
顔など分かるわけもない。ああ、神々が邪魔だ、俺の父はどこなんだ、誰なんだ。
ふと、目が止まる。
妙に懐かしい鉄の匂いがする。
目を凝らせば奥に俺を見つめてくる男がいる。
男の目は雄弁で尊大に、来い、と語っていた。
まるで自分が父親でなければ認めないと言うように。
俺は酒を注いだ。その男の持つ杯に。
父となった男は、鍛冶師で親分だった。
弟子に慕われた、厳しくも情のある人。
一回だけ鍛冶場に入って、いたく叱られたことがある。
失敗の記憶というのは薄れないものでこの辺りはよく覚えている。
とても怖かった思い出がある。
仕事をしている父に駆け寄ろうとした。
『父上・・・っ』
『・・・っ入ってくるんじゃねぇ!!』
後々思えばあそこは子どもが入るには危ない所だからと分かる。
だがあの時はひたすら怖くてその場から逃げ出したのだ。
例え内が安全でも、外に出ればそうはいかない。
どこの世も慕われる分、嫌われもする。父を嫉む輩に小さな俺は捕まった。
泣き叫ぶこともできなかった。どうしていいのかもわからなかったから。
捕まって、この辺りからまた記憶が薄れている。
暗い部屋の中でぐったりとした自分。壁も床も濡れていて冷たい。
かすんだ頭でこのまま自分も冷たくなるのだろうかと思っていた。
ふっと眼を閉じた瞬間、激しい音が部屋に鳴り響いた。
『ったく・・手間ぁ取らせやがって』
『・・・父上・・・?』
ざくざくと音を立てながら近寄ってくる。
その時の顔を未だ忘れられない。
『とっとと立ちやがれ。俺のガキがフヌケた面してんじゃねぇ』
ぼたぼたと体中から血を流す、男。
紛れもない自分の父は、今まで見たこともないような熱に浮かされた顔だった。
『オラ、行くぞ!』
『あっ・・・!』
血塗れの身体に抱き上げられ、俺の着物が赤くなっていく。
濃厚な赤の匂いに包まれながら父は家ではない方に向かった。
『父上・・・家、は・・・?』
『家はもうねぇ』
『皆は?・・・皆、待ってるよ・・・』
『もういねぇ。・・・いねぇんだ』
苦渋に満ちた顔。
いけないことを聞いてしまったようで、俺はそれきり黙りこんだ。
しばらくしてどこかのお社についた。
『・・・父上?』
『・・・悪い・・・』
深紫の瞳が歪む。
すっと大きな掌が俺の額に覆いかぶさる。
何か悲しいの、と聞こうとして、俺の意識は途絶えた。
それから目が覚めた時、俺は父の腕の中にいた。
こんなことは初めてだった。
どうしていいかわからず、とりあえず固まる。
固まりながら父の言った言葉を考えた。
家はもうない。
皆も、いない。
見上げれば疲れきった父の寝顔。
その顔を眺めていて、ふつふつの己の中に湧き上がるものがあった。
この人に、認めてもらいたいのだと。
構ってもらえれば、つい一直線になるのが俺の悪いところだ。
父が目を覚ました時に俺は言った。
『おはよう、親分』
親分は信じられないようなものを見る目で俺を見た。
PR