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日々の妄想の墓場。
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ごきげんよう、管理人です。
このごきげんようのようの意味がいまいちわからない。
今日はごはん食べた後に裏の小説を書こうと思いましたが、思いの外満腹になったせいで程よい眠たさと満ち足りた気分になり、裏が書けない状態になりました。
適度に不幸な状態の方が意外と良い文章が書けるんだもんなぁ・・・。
普段は野菜カレーを食べているんですが、今日は思い切ってインドカレーを食べてみました。

何が違うのかよく分からない。

味音痴なのだろうか。それとも実は中身が一緒だったということなのだろうか。
疑心は深まります。たかだかレトルトカレーのことなのに。
ささやかな違いでもあったのだろうか。うぅむ。
まぁカレーにくくって言えば素人の手作りのカレーよりレトルトのお湯に浸して5分のパックカレーの方がおいしいということです。


明日は友人と共に化野の念仏寺に行ってきます。
なんでも三途の川のような風景があるのだとか。本当だろうか。
本当だったらこっそり石でも積んできたいなぁ。


続きに時代劇パラレル。もうこれ時代劇じゃなくてただの神様パラレルだ・・・。
いつか細かい設定なんかも書きたいなぁ。
あ、今回フォックス(当然擬人化)とディディ(擬人化ではないが人間語をしゃべりる)とカービィ(途中擬人化)とメタ(擬人化)が出ます。人多っ!




山に夕日が沈む。
赤々と山を燃やしながら背後に夜を漂わせる時間は、己の影がじっとりと自分の中に戻っていくような感覚を与えてくる。

「急がないと」

月が昇る前に。
俺はふーっと肺の息を吐きだした、その時だった。

「人が何用ぞ、去れ」

山間の木々からざわめく様な声が響く。
人の声ではない。

「ここが日吉、山王の神が治める祟りの山と知ってのことか!」

ぎぎぎ、と木々のひしめきあうような音が耳を打つ。
今まで歩いてきた道が急に細くなっていく、いや、周りの木々が自分に差し迫ってくるような気さえ感じられた。
俺はその場から動かず、黄昏と闇の入り混じった空へと顔を上げた。

「我は稲荷神の眷族、神使である!用あって禁忌の山の立ち入ること許されよ!」

張りのある声で木霊を起こすように叫び返す。
周囲の一番大きな木の天辺ががささっと鳴った。
知った気配。
俺は安堵してその大木の上を見上げて手を振った。

「俺だよ。もう忘れたのか?」
「狐!!」

木の葉隠れをしたかと思うと、それは俺の上に落ちてきた。
思わずよろけて後ろの大きく尻もちをついてしまう。

「あいたた・・・もうちょっと静かに降りてきてくれないか?」
「キキッ、ごめんッ!でも久しぶりだからッ!」

相変わらずな腹の上の猿に、不意に苦笑が出てしまう。
とりあえずお互い立ち上がって改めて挨拶を交わした。
俺は人間の姿から狐の耳としっぽを生やした姿となり、相手は被っていた赤い帽子を脱いだ。

「山王はどうしてるんだ?」
「兄貴は修行って言う名の行楽に出たッ!」
「ハハ、相変わらずだなぁ・・・」

山王とは山の神であり、この祟り山の主でもある。
怪力の大猿で、他国では神話化までされた神だが本人はいたって奔放だ。
現に行楽にまで出ているというし。

「じゃあ今はお前がこの山を守ってるのか?」
「キキッ!」

猿に返事はなく代わりにぐっと親指を立てる。
まだ若い山神だが、自信はあるらしい。

「でも、さっきの出迎え方だと、慣れた俺でも焦るよ」
「最近、たまに人間が入るから仕方なくッ!」

しゅんと長いしっぽが垂れる。

「・・・人間の戦が終わったからだろう。土地を開拓しているせいもあるだろうし・・・」

この山が祟り山というのは人間の侵入を拒むものだからだ。
別に本当に何かに祟られている、とかそういうわけじゃない。
だが、人間がこの山に入ることは問題である。
山に入る人間は狩人や樵、町、村から追い出された者や世間師なのである。
それがもし集団で来て山の民でもなられたら厄介だ。
思案に耽っていると、キッキッと忙しなく呼ばれてハッと意識を戻す。

「狐もまだ父親は見つからないッ?」
「ああ。まだ・・・手がかりすらなかなか無いからな」
「元気、出してッ!」
「ありがとう、俺はもう行くよ。お勤め、頑張れよ」
「キキッ!」

俺が右手を斜めにして額へ持っていくと、猿もにかっと笑って同じ恰好を取った。
世話は焼けるが憎めない子だと常々思いながら、俺は山頂へと足を伸ばした。



月が完全に空に浮かび、周囲に無数の星を侍らせた頃。
俺はようやく山頂についた。
山頂には圧倒されるような古い巨木が一本立っている。
まるで世界の中心のように闇を貫く太い樹木。
地を掴む根はもはや自分よりはるかに太く、そびえ立つ胴の太さは人が五十人ほどいてやっと一回りできるほどだった。
切り倒せばどれだけの年輪があることだろうか。
毎度のながら木を見上げて感銘を受ける。

「さて・・・今日に限っていないなんてことはないと思うけど・・・」

コンコンと、大木のある一点の窪みを叩く。
そして先ほど山でやったように自分の身分を木に向かって叫んだ。
シン・・・と叫んだ声が空気に同化した頃、窪みが突然人一人入れるほどの穴のように広がる。
穴を除いても暗い闇が見えるだけ。
俺は井戸に落ちるような気持ちで、穴の中に飛び込んだ。



落下を感じたのはほんの一瞬で、次の瞬間には床に足が付いていた。
床は樹液の固まったようなもので、粘着質な濃いはちみつ色をしている。
壁には意図的に植えてある光るキノコが点在し、幻想的な空間を作り上げていた。

「宿曜師(すくようし)、いるか?」
「いるよー!いらっしゃーいっ!!」

ぽわっと天井近くが一瞬光ったかと思うと、それは俺の上に落ちてきた。
思わずよろけて後ろの大きく尻もちをついてしまう。
あれ、なんだかこれさっきもやった気がする。

「来るの遅いよ、もう来ないかと思ったー!」
「ご、ごめんな・・・ちょっと忙しくて・・・」

それ―――ピンク色の球体は俺の腹の上で頬を膨らます。
ちょ、でかい。広い場所ではないだけに押しつぶされそうになる。

「そんなこと言って。狼の娘に会いに行ってたくせに」
「え、あ、いや、それはその・・・」

図星なだけに何も言えない。
返答に困っているとふっと目の前の暗さが増した。

「いつまで狐の上に乗っているつもりだ?」

呆れたような、機嫌が悪いような声が降ってくる。
見上げれば仮面に妖魔のような翼、剣を腰に携えた男が浮かんでいた。

「ヤキモチ?」

心底楽しそうな声の後、一瞬まばゆい光がピンク球から発せられる。
今度は眩しい。いい加減俺の腹の上ってことを分かってもらいたい。
光が治まった時、一人の少年が俺の腹を跨いでいた。

「・・・私はお前の護衛騎士として言っているんだ」

若干男の声に苛々が混ざっている。
少年はこれ以上はマズイ、という顔をすると素直に俺の上から降りた。

「無礼を許せ、狐」
「いや、こっちもいきなり尋ねてきてすまない」

俺は立ち上がり着物の汚れを払う。

「で、今日は何の御用なの?恋愛相談?」

宿曜師の少年はふふっと微笑む。
宿曜師とは宿曜日道占星術(すくようどうせんせいじゅつ)を行う者のことであり、この国では陰陽道と対立したせいで失われかけているものだ。
そんな相手に恋愛相談をしてどうしろというのだ。

「あのなぁ・・・直日を定めてもらいに来ただけだよ」
「もー狐ってばいつもそうだよねー。お仕事ばっかり」
「仕方ないだろう。ああこれおみやげ」

俺の持ってきたお菓子にはしゃぎながら飛びつく。
兄弟のような気易さでいられるのはこの宿曜師とは旧知の仲だからだ。

「それで内容は?」
「今度、港に行かなきゃはいけないんだ」
「山に来て今度は海?歩きまわり過ぎ!」
「宿曜師、さっさとやれ」

口を開きかけた俺に護衛騎士から厳しい声が飛ぶ。
無駄話はそれぐらいにしておけということなのだろう。

「はいはっい!今やるよー」

ぱんぱんとめんどうそうに手を叩く。
するとはちみつ色だった床がみるみる内に黒くなり、壁や天井すらも消えていく。
闇が波のように膨れ上がり俺たちを包み込む。

「九曜を用いて直日を占わん」

染み出すように、周囲の闇に月と星が生まれた。
その様はまるで自分たちが星空に放られたよう。
宿曜師はぐるりとまわりを見渡し、困ったような声を上げた。

「どうかしたの?」
「んー・・・良いことと悪いことは同時であるみたいだよ」
「・・・どういうこと?」
「えっとねぇーいうなれば中吉?ぐらいかな。特に運行を変える必要もないよ」

ぱんと掌を叩いて宿曜師が元の風景に戻す。
朧の幻想的な世界へ帰っていく。

「そうか、じゃあ俺はこのまま行くことにするよ」
「うん。気をつけて」

宿曜師と別れの握手をしかけた、その瞬間。
戸を叩くような音が聞こえ、

「こんばんは、軍神です」

と、のんびりした声が届いた。
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プロフィール
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酒切フータロー
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非公開
自己紹介:
読みはしゅきるふーたろー
よくさけきるとか言われる
紳士なる漢を目指して
女性向け小説メインの
同人活動をしている

現在は関西に仮住い中
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