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日々の妄想の墓場。
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今日も今日とてストレス社会と戦いました。
横になったら『っしょーい』(よいしょの略称)って言ってしまう自分が嫌だ。
イライラするとき~顔が笑ってる~自分がいた~。

大体俺は表情筋が硬いのでいつも無表情。
所謂何考えてるか分からない系の顔です。妄想してますが何か。

緊張してると怒っていると思われ。
苛々すると漫画にありそうな嫌な笑みを浮かべていたり。
微笑むと怖いと言われ。
年上の前では生意気面で。
仲間の前では俺様野郎。

プラスの感情の顔がひとつたりともない不思議。
愛想笑いしないんじゃない、できないんだ。
面白くないのに笑えるかちくしょー。

・・・ああ、一人の時はわりと普通に笑ってる気がする。
動物の動画を見てにこにこしたり。
テレビのハプニング集番組見て吹いたり。

・・・表で出たらいいのにな、この笑みが。



そうそう年末近いので今の内にセールに行ってきました。
服一着と本と十字架とマフラーを購入。
なんと統一性のない買い物であろうか。

マフラーは防寒具をどうしようか悩んでいた時に目に飛び込んできたので購入。
衝動買い?俺は衝動以外で買物をしたことありません(駄目すぎる・・・)。

とはいうもののそのマフラー、俺好みの和風の柄だったんですヨ。
裏地一面の和柄マフラーって・・・それは買うだろぃ!
表は白地でクローバーが入ってます。温い・・・。

明日は子供が駄々こねるのでUSJに行ってきます。
このすげぇ寒い中ジュラパとか乗るんだ・・・Orz
まぁ絶叫系大好きだからいいんですけど。




続きで久々に時代劇。もうなんでもいいからフォリンを自給自足する。
一応R12程度にしておく。ちゅーしてるので。



実りの秋がこの国へと渡ってきた。
稲荷は穀物や繁盛の神、今が働きどころではあるのだがそれは白狐に任せる。
豊穣の空気を今朝から大降りの雨が打ち消していくのだ。
それは同時に、俺の気持ちをやきもきさせる。
雨の音に紛れて記憶に蘇る彼の声。
花見ではぐれ神の琳(りん)に会って以来、彼のことがよく思い出されるようになった。
彼を気にしているのか、彼の孤独を気にしているのか。

「もう一度・・・会いたい」

きちんとした別れもなく離れてしまった人。
桜の精だと、冗談を言って笑っていた。
この雨で桜は全て散ってしまうことだろう。
それまでに。

「よっと」

雨の中、息を乱すこともなく駆け抜ける。
強い雨のせいで道を行く人間は少ない。
駆けて、駆けてあっという間に彼と初めて会った場所まで来た。

御神木の桜。桜は雨粒に押し潰され泣いている。
その涙の影に、彼はいなかった。

「いない・・・夢じゃないのに・・・!」

桜に手を付き、深く息を吐く。
身体中にぶつかった水滴がぽたぽたと土に吸われていった。

「ええ、夢じゃありません」
「琳!?」

はっと頭を上げれば今にも折れそうなほど細い枝の上に琳が立っていた。

「お久しぶりです、狐さん」
「ああ・・・なぁ、おりてきて話そうよ」
「・・・降りれないのです。私は、雨は―――」

申し訳なさそうな顔で俺を見降ろす。
切ない表情は輪とはだいぶ違った。

「じゃあこのままでいいよ」
「すみません・・・」
「その代り、この前のこと、聞いてもいい?」
「なんで、しょう?」

若干不自然な琳の声。
何か、俺に隠しているのだろうか。

「俺、寝ちゃってたんだって?」
「ええ。途中で眠られましたね」

どこかほっとするような彼の表情。
もっとも仰ぎ見ている状態なのでどこまでちゃんと見れているのかはわからない。

「私もこの世にいられる時間が短いので・・・起こすこともできず・・・」
「そうか・・・別れの言葉も言えなかったから」

そう言った瞬間、琳はひどく焦るような、悲しむような顔になる。

「琳・・・?」
「もう・・・ここにはこられないのですか・・・?」

先ほどまでの透き通る声はどこへやら。
急に切なく震えた声で問いかけられる。

「そ、そんなことないよ!」
「別れ・・・だと・・・」
「それはまた会おうって言いたかったんだ!」
「え・・・」

ぱちりと琳の青い瞳が瞬く。
木に縋りつくように見上げていた俺の顔に一滴、温かい雫が落ちた。

「今日、会えて良かった。ずっと会いたかったんだ」
「狐さん・・・」
「もっと、一緒にいよう」
「なぜ・・・そこまで私を思ってくださるんですか?」

なぜ。
なぜだろう。

「友達だから」

月並みな言葉だが、はっきりと言えた。
俺と彼はある種の同じ孤独を抱えた存在。
2人とも近しくも対極の存在。
だからこんなにも、惹かれてるのだと。

「友達・・・」

きょとんとした顔の琳に俺は声を投げかける。

「俺は琳がどんな神様だったのか知らないけど、友達でいたいんだ」
「ありがとうございます・・・」

震えた声だった。
でもそれは、先ほどのような切ない声ではない。

「・・・狐さん、お願いです。この枝まで上がってきてくれませんか」
「えっ・・・でも俺が力をかけただけで折れそうだぞ?」

琳の乗っている枝は風に揺れるほど細い枝だった。
実質、彼がどうバランスを取っているのかもわからない。

「大丈夫、私の力で浮けますから」

琳の大きな袖口から白い手が伸びてくる。
俺は不思議と疑問も持たずにその手を掴んだ。
ふわり、と感じたこともないような浮遊感に襲われる。
何かが自分を押し上げるというより、自分の体重がなくなってしまったようだった。
まるで、幽霊のような。

「手を放さないでくださいね。下に落ちてしまいますから」
「あ、ああ」

木に引っかかった布のような心持ちで枝の上に座った。
初めて触れる彼の手は武人の手ではあったが、とても冷たかった。
感触があるのにはっきりと人の手だと認識できなかった。
間違いなく自分は彼の手を掴んでいるのに。

「琳・・・」
「狐さんは私のこと、好きですか?」
「へっ!?」
「ごめんなさい、突然こんなこと・・・」

前の世間話のような話し方ではなくなった。
彼の真剣な視線が、俺を射抜く。

「好き・・・だと思う」
「・・そう・・ですか・・・!」
「あの、なんで突然・・・?」

はぁ、と琳が緊張の吐息を吐く。
ざぁぁぁ、と雨が一段と酷くなる。

「狐さん、あなたを信じて私は話します」
「うん。・・・・・・いいよ、今覚悟決めた」

その場で腹を括るのはお得意だ。

「私は生けるものの精気を吸わなくては、この世に居られぬ身なのです」

俺は目を見開いた。
腹は括ったとはいえ、驚くことには違いない。
精気とは命の根源に宿る力。
おいそれと吸えるものではない。

「それって・・・」
「私が役目を失った神、というのは前に話しましたね?」
「あ、ああ」
「私は役目を失い、同時に魂魄(こんぱく)の魄を失いました」
「それって・・・肉体の支配を失ったってこと?」
「はい」

神とはいえ魂魄があってこそ動くもの。
生み出す者も破壊する者にもそれはある。
魂魄の魂とは精神や思いで肉体から離れうるもの。死すれば天か地へ戻るもの。
魂魄の魄とは骨の気。それすなわち肉体に宿り支配するもの。

魄が欠ければ人は植物のように動けなくなる。
魂が欠ければ何十年も眠ったままになってしまう。
どちらが欠けても、普通はまともな状態ではいられない。

「なんで今、琳は動けるんだ?」
「おばあ様のご恩と、他のものの精気によって保っているのです」

魂魄の欠けた存在を存在させる。
深くは分からないがきっと琳のおばあ様とやらはきっと位の高い神なのだろう。
ならば、琳自身もそれなりの高い位の神なのかもしれない。
もっとも、身内や親と同じだけの位を与えられるなど稀なこと。
ほとんどは生まれた時から決まっているか、何か功労をなさなくてはならない。

ごく、と俺の喉が鳴った。
もしも彼が高位の神なら、俺は所詮は稲荷の神使。
今繋いでる手に、向こうが『散れ』と願うだけで俺は消える。

「あ、大丈夫です。私は役目を失ったのでそんなに力もないですから!」

俺を緊張を読み取ったのか、慌てて琳が付け加える。
俺は全身に走らせた緊張を、ゆるゆると抜いた。

「えっと・・・」
「あ、そ、それでですね。魂しかないのであまり動けないんです」
「長くこちらにいると精気が切れるから?」
「はい。伯母様に怒られることあるのですが、精気が切れると祟り神になりかねませんから」
「祟り神・・・」

その言葉に再度身体を強張る。
俺の父親はもしかしたら、それになっているかもしれないからだ。
そうであって欲しくない為に、必死に探しているのに。

「狐さん?」
「っすまない、少し・・・驚いてただけだ・・・」
「私は妹を探さなくてはなりません・・・ですが」
「精気が切れるから全然探せないんだろ?」
「はい・・・」
「どうにか溜めることってできないのか?」
「多少なら、できるのですが・・・その」

もじもじと急に言いにくそうに琳が顔を伏せる。
おや、と顔を覗き込めば目尻から頬まで真っ赤に染めていた。

「それには・・・植物ではなく生きる者から直接・・・なのです」
「それって・・・まさか人間!?」
「違います!」

焦った俺の言葉を琳が強い口調でかき消す。

「そんなことをすれば伯母様に怒られます・・・いえ、人間ではあっという間に死んでしまいます」
「それじゃあ何・・か・・・・・ら・・・・・・・」

語尾が曖昧になったのは琳の瞳がゆっくりと俺から逸れて行ったからだ。
自然と繋いだ手に力が篭る。

「俺みたいな神使いとか神属とか・・・そんなのから?」

からからの乾いた声で俺が問う。
気分は罠にかかった自嘲する馬鹿な獲物。
そんな感じだった。

「はい・・・」
「そう・・・」

無言の時が流れる。
驚愕の後の沈黙というのは長いもので、それは俺は半分放心状態へと導いた。
ようやく俺の意識をはっきりさせたのは琳の言葉だった。

「ごめんなさい。でも、狐さんを好きなことは本当なんです」

すっと繋いだ手を引きよせて身を寄せる。
女郎屋の女よりもずっと色っぽく見えてしまう自分の目を疑った。
何より琳は輪に似ている。
心が動かない方がおかしかった。

「俺は・・・吸われると、どうなるの?」
「狐さんならば、かなり吸わないと変化はないと思います」
「そうなのか?」

吸われた途端かさかさの躯になるかと思ったが、そうじゃないと知ってなんだか安心する。

「ただ・・・吸うためには私に触れなくてはなりませんから・・その」

嫌ですよね、と儚い表情で呟かれた。

「どうだろう、分からない」
「分からない?」
「俺は吸われたことってないから。いっそ一回して見た方が分かるかも」
「・・・!いいんですか・・・・?!」

今度は琳が目を見開く番だった。
実感に勝る想像はない。
何事もやってみてからまた考えればいい。

「ああ。いいよ」
「あ・・・では、目を閉じてください」

俺は少し心を高ぶらせながら目を閉じた。
僅かな不安と、未知の経験。
でも彼は信用できるから。

・・・吸うって痛くないといいな。
いきなり力がすとんと抜けたりとかするのかな。

「じゃあ、いきますよ」
「かかって来い!」

多少自棄も入ってしゃきっと言い放つ。
ぐっと強く瞼に力を込めた瞬間、唇に熱く柔らかいものが触れた。

「ん・・・」

くぐもった彼の声。
小さく何度か唇を食むように吸われ、ぬるりとした舌が犬歯の歯列を割る。
手はあんなにも冷たかったのに、唇が溶けるように熱い。
琳の手が温かくなっていくに連れて、次第に接吻も激しくなっていく。

「っ・・はぁ・・・ん、ん・・・」

まさか口付けされると思わなかったから段々と呼吸が辛くなる。
彼にとっては精気の補給でも、こっちからしたら恋人のするような熱い接吻のようなもの。
どうにか空気を得させいてもらえないかと動かさず黙って吸われていた舌を動かした。

「んぅっ!?」

じゅ、と濡れた音が跳ねる。
そのすぐ後に唇を離され、俺はようやく外気を吸いこむことができた。
お互い荒い息で呼吸を整える。

「狐さん・・いきなり・・・」

口元を開いた手で押さえて真っ赤になって震えていた。
やっぱりする側もする側で恥ずかしいのだと、俺はおかしくて笑い声を零す。
人と、ましてや男と口付けた事など幼い頃父親にしてもらったぐらいだ。
それにしたって舌まで絡ませたことはない。
せいぜい頬ぐらいだった。
けれど嫌な感じも疲れた感じもない。
彼に言ったら怒られそうだが、結構・・・気持ちが良かった。

「はは、ごめん。まさか接吻されるとは思ってなくて」
「驚かせてごめんなさい・・・でも、こちらも驚きました」
「なぁ、今のでどのぐらい溜まったんだ?」
「半日ぐらいでしょうか」
「い、意外と少ないんだな・・・」
「植物からでは走ることさえできませんから」
「そっか・・・」

例えば三日動こうと思ったらかなり大変なんじゃないか。
そんなことでこの国のどこにいるかもわからない妹を探すことはできるのだろうか。

「もう少し効率よく溜めれたらいいのにな」

俺が何気なしに言った途端、琳の顔がぼんと爆発した。
もとい、真っ赤な夕日色になった。

「り、琳・・・?」
「あ、あるには、ありますけどそれは・・・」

顔から火を出すように言葉を吐きだしている。
俺もよくよく考えて、あ、気づきやはり同じく赤くなった。
お互いの瞳が気まずく合い、そわそわと別の方向へ向く。

「・・・交合・・・になるのか・・・?」
「はい・・・・」

お互い消え入りそうな声で言う。
誰に聞かれるわけではないが(この土地の地主神は聞いたかもしれないが)ぽそぽそと話す。
まるで秘密の内緒話のようだった。
桜の木の中で秘め事など、まるで恋物語。
けれど、現実はそんなに甘くないのだと後日狼から聞くことになる。




琳の妹が、狼の娘で俺の想い人の輪であるかもしれないということを。
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プロフィール
HN:
酒切フータロー
性別:
非公開
自己紹介:
読みはしゅきるふーたろー
よくさけきるとか言われる
紳士なる漢を目指して
女性向け小説メインの
同人活動をしている

現在は関西に仮住い中
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