日々の妄想の墓場。
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そろそろ休みが終わりそうなので管理人は実家から戻ります。
と、ゆーことは引越し先に戻るという事でありまして。
引越し先はパソコンが繋がってないわけでありまして。
当分更新は出来ぬということです。
ぐぉぉぉおお書きたい小説たっくさんあるのに。
ションボリですヨ。
そういえば昔はこのサイト、調子いいときには1週間中に3つぐらいアップできた時もあったんですヨ。
連続でとか。あの時はよかったなぁ・・・。
感受性も今より敏感で。時間ももっとあって。リクくれる人と好きなものを語れる人が傍にいて。
日々の生活に肉体的よりも精神的な苦労もあったりして(今は体の方が疲れます)。
新しく感じることが多かった気がします。
あの感受性と発想力はどこにいったのだろうか。
・・・しかし年齢制限付きの本の読んだ数は、増えた。
続きにウルフォ。さすがにR16一番上に出しっぱで消えることはできなかった。
ウルフのリーダー性について。彼はリーダーというより親分・・・。
「っだ!」
どべっという音と共に地面に尻餅をつく。
しっぽを尻の下敷きにしかけたが、ぎりぎりで踏まずに済んだようだ。
「ぽよ」
不意に背後から声が聞こえた。
この大乱闘中には不似合いながらもその声に背筋が凍る。
フォックス、後ろだ。
味方のウルフの注意を聞きながら、視界はカービィの口の中へと変わっていった。
ごくんという飲み込まれる音に、コピーされた音。
ああ、食われた。
そう言って吐き出されてみれば、ピンクの球体の頭には、キツネ耳。
よく、この姿のカービィが可愛いと言われている。
このコピーのためだけにカービィに食われろと無茶な注文を受けることもある。
確かに可愛いけれど。
食われた反撃として、カービィを引っ掴んで空へと投げた。
「フォックス、さっきの様ァなんだ」
乱闘が終わり、休憩室のベンチの上。
自販機が4つと3人用ベンチが10個だけある部屋。
トーナメントをするとき以外はほとんど少人数しかいない。
そこにウルフと並んで座っている。
他に人も居らず、さして贅沢でない貸切状態である。
「さっきって・・・カービィにコピーされたこと?」
「その前のだ。乱闘中にずっこけただろうが」
ウルフから情けないと言わんばかりの視線を向けられる。
「好きでこけたわけじゃない。走ろうを思ったら、なんでか・・・」
こう、つるっと。
右掌を下にして、空を右から左上に滑るように動かす。
擬音と動作で表してみたがあまり納得してもらなかったらしい。
訝しげな目で見られただけだった。
「前の乱闘でもこけてただろう」
「よく知ってるね」
「・・・てめぇのこけた写真、写真板にはり出されてたからな」
「嘘っ!?」
写真板とは、乱闘中の写真をはり出す掲示板のことである。
アピールや必殺技、果てはドジっ子アピールまでさまざまな瞬間にシャッターは切られる。
撮った写真ははり出される。もちろん、はり出される本人が写真を消したっていい。
だがうっかり消去を忘れてしまうと、見られたくない姿をそのままはられてしまったりもする。
「しまった・・・前の乱闘の写真チェックしてなかったから・・・」
掌でぺちょっと額を押さえる。
自分の情けなさに溜め息が出た。
「・・・どこか悪いのか?」
シガーを銜えながら聞いてくる。
今度はこちらが訝しげな目で見る番だった。
「・・・なんだ」
「いや・・・まさかウルフからそんな事を聞かれるとは・・・」
「てめぇはリーダーやってるくせにチームの体調も気にしねぇのか」
銜えたシガーを一旦手に持ち、こちらを睨む。
そういえば、ウルフと仲間と思えるのはここが初めてかもしれない。
宇宙で会えば協力はするものの、何だかんだでそれ留まり。
仲間と呼べるのは、このチーム戦ゆえにだろう。
「体調が悪いわけじゃない、こけたのはたまたまだよ。・・・あとここ禁煙」
にっこりと笑みで返せば、ウルフは容赦なくシガーを銜えその先端に火をつけた。
「ウルフ!」
「ガキ共はいねぇし誰にも迷惑かけちゃいねぇだろうが」
「まったく・・・そっちの健康状態の方が心配だよ」
立ち上がって一番近い自販機に向かおうとする。
その際に打ち付けた場所が軽く鈍痛を発した。
「っつ!」
「痛むか?」
ああ、まったく。
この狼は、変な所で寛容で、優しく思わせるのが上手だ。
それも無意識に行っているから性質が悪い。
こういう人物こそ、人を率いてその上に立つべきなのだろう。
軍にいれば良い隊長だったかもしれないが、生憎この男は犯罪の中が良いらしい。
そこだけは自分にとても近くて、とても遠い。
要は法に触れる行為が取れるか取れないかの、違いだけ。
「大丈夫・・・」
腰を擦ってもう1歩踏み出そうとした瞬間、ウルフが横を通り過ぎて行った。
自販機の前でぴたりと止まる。
「どれだ」
「え・・・あ、コーヒー。微糖で」
10秒程でコーヒーの注がれた紙コップが出てくる。
「ほらよ」
突っ立ったままの俺に渡して自分はベンチに座り直した。
俺も体を反転させて自分の元の位置に戻る。
硬いベンチに座る時、同じく鈍痛が走ったが顔には出さないでおく。
心配をかけるわけではないが、手に持ったコーヒーの方が気になっていたから。
「あ、ありがと・・・」
「代わりにコレの文句言うなよ」
ふぅと白い煙を吐き出す。
コーヒーを取ってやった代わりにシガーを吸うことを見逃せという事か。
頷くかわりにコーヒーを一口飲む。
舌が火傷しそうなほどじゃないが、熱い。
熱が胃まで落ちていくのが感じられる。
外から歓声が聞こえた。
おそらく今戦っている人たちの乱闘が終了したのだろう。
次はまた、自分達の番だ。
俺がコーヒーを流し込むと同時にウルフがシガーを携帯灰皿にすり潰す。
「ちゃんと持ってるんだ、そういうの」
「吸うのを我慢するよりマシだからな」
入り口の方から複数の声が聞こえた。
貸切状態が、そろそろ終わる。
ウルフはさっと、俺はのろのろと立ち上がった。
「痛むようならあの緑のガキにでも湿布でも貼ってもらえ」
「リンクは・・・してくれないと思うけど」
ウルフは鼻で笑い、俺は苦笑で返す。
「行くぞ」
「ああ」
「・・・気をつけろよ」
「もうこけないって」
つぃと隻眼が細くなる。
「・・・こけたら援護よろしく」
「知らねぇな」
ぶっきらぼうな口調のあと、入り口に向かって歩き出す。
その揺れるしっぽの後ろを追った。
この人がリーダーなら、自分はついていくかもしれない。
なんてことを、思ったりしながら。
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