日々の妄想の墓場。
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生きてますまだ生きている管理人です。
最近テストに続くテストで辟易しています。
・・・美人の看護婦さんが家庭教師に来てくれないかな(お前・・・)。
それはさておき。
皆既日食がありましたね!
今更?いや終わった後で盛り上げたい。後の祭り。祭りの後。
悪天候とはいえベランダでイナバウアーしながら観てました。
太陽が三日月のように欠けて、その白く光る部分に雲の影が迷彩模様みたく動きながら映るからとても幻想的。
次は月食が見てみたいなぁ。
月の無い夜は本当に空が真っ暗闇になるらしい。
月と星ばかりが空の演出ってわけじゃないようだ。
月と星も大好きだけれども。
星座の性格占いすると大体『博愛主義』『公平な心』とか出るけど。
我が星はこの世の何を公平に計れるというのだろうか。
続きに時代劇小説。
第一章大詰めって言ってから半年経ちました。
もうこれ15、16ページ目ぐらいです。
もう20越させちまおうかな(思い直せ、第二章に行けば確実に超えるから)。
スネピが出るのは第二章からです。長々とすいません。
「ヘイお使い狐!よく生きて戻って来れたな!」
「戻ってこれたから今ここにいるんだろ」
「狐さん、私も手伝いますよ。輪(りん)、台所借りますね」
「あ、お、俺も・・・手伝う・・・」
「おい韋駄天!俺様の家で何を・・・」
「ハロー!狼のおっさん、ちょっと場所借りるぜ!」
「あーもう・・・なんで僕まで・・・」
戸を開くまで外に渦巻いていたはずの不穏な気配。
それらは全て韋駄天によって蹴散らされてしまった。
とはいえ当の本人は『ワッツ?』と首を傾げるだけなのだから神の力恐るべし。
もとい、韋駄天の竜巻の如き脚力、恐るべしである。
彼は右肩に食料の入った袋を担ぎ、左の小脇に不機嫌な顔の雷獣を抱えていた。
雨が降っていたはずだが、気を纏っているらしく服の裾すら濡れていない。
その時の騒動で狐も目を覚まし、起きた途端『宴だ!』と韋駄天に布団を引っぺがされた訳である。
そのまま訳も分からぬ内に狼の家は宴の会場となり、なんだかんだでその雰囲気に飲まれつつあった。
「いや、俺が生きて帰ったら宴をするって約束したからさ」
「わざわざ俺様の家でするんじゃねぇ!」
「そー言うなよ。皆でメシ食った方がデリシャス!何倍も美味く感じるもんだ」
台所から狐がひょいと顔を覗かせて簡単に事情を説明する。
狼は納得いかない顔だが、輪がすっかり料理を作る気でいるのだから今更止めろとは言い辛い。
何より、琳(りん)の作った料理を素直に口に入れる気もしない。
ならば狐か輪の作ったものを食べた方がましである。
「まぁまぁ、おっさんにはこいつを持ってきたぜ」
にやりと笑って取りだしたのは酒だった。
狼の隻眼が獲物を見つけたように鋭く光る。
「そいつぁ―――あらき酒か!」
「手土産ってやつだ。この国じゃあここまで本格的な奴は手に入らないぜ」
酒に気を良くした狼には分からないように、韋駄天は隣に座る雷獣にそっと礼を言った。
「ラーイの言った通りだ。流石だな」
「ま、あの人も神様だしね。御神酒代わりだけど」
当初、韋駄天は食糧とささやかな酒のみ持っていくつもりだった。
だが途中強引に引っ張ってきた雷獣にどこへ行くのかと尋ねられ、詳細を話したのである。
それならば、何か度数の強い酒があった方が良いと提案したのだ。
雷獣と狼に面識は無いが、韋駄天から人柄を聞くにあった方が良いと判断。
結果、狼が宴をすることを許してくれたのだから雷獣の賢明な機転は大成功した。
「いきなり僕を連れてきて何しだすかと思えば・・・」
「ラーイだって狐の事気になるだろ?」
「・・・別に」
内心、別に所ではない。
本当に狐は成し遂げてしまったのだ。
神を友人として救ってきたのだ。
「まぁ、でも、狐はすごいと思うよ」
獣と神が友達になれる。
普通はあり得ない事だ。
通常は神は獣を従え、獣は神の言うことを聞いて地上で働く。
現に雷獣とて、道真公の命令で動く。
だがその隔たりを超えて神と友達になれるのならば。
その希望の九割九文は無理だろうと思っているが、残りは少しだけ縋っている。
このお節介な韋駄天とも、本当に友達になれるのかもしれない。
「友情パワーは強いな!」
声高らかに韋駄天が笑った。
彼は本当に雷獣と自分が友人関係にあると思っている。信じ込んでいた。
その強さが、雷獣には少しだけ羨ましく映っている。
「もし今日道真公から命令来てたら韋駄天、一緒に謝ってもらうからね」
「オーケーオーケー、どこまでだって連れて逃げるぜ!」
「僕は謝れって言ってるの!」
やはり韋駄天とは知人もしくは他人でいいような気がした。
「はい、おまちどうさま!」
「料理なんて何百年振りですが意外と作れるものですね」
「味は・・・保証しない、からな・・・」
普段埋まらぬ台からはみ出すほど皿が並べられた。
種類も数もばらばらで統一性はないが、どれも美味そうに見える。
輪達が料理を運ぶ間に狼は杯を置いて周り、自らそれにあらき酒を注いだ。
各々準備も終わり、輪は狼の隣に座り、その逆隣に狐と琳が座る。
狼の正面には韋駄天と雷獣。
「韋駄天さん、雷獣さん」
乾杯をする前に凛が床に手を付き、韋駄天と雷獣に深々と頭を下げる。
これにはその場にいた誰もが、目を丸くした。
「おいおい何の真似だい?」
神である韋駄天こそ肩を透かしたが、雷獣はぽかんとした表情のままである。
「私の名は凛。スサノオと天日道日命(アメノミチヒメ)の子にしてそこなる輪の兄です」
仰々しく自己紹介をし、輪も雷獣に対してたどたどしく名を名乗った。
父に狼――天目一箇神(あめのまひとつのかみ)に拒絶されたからだろう。
それでも輪の兄を言い切る辺り、輪だけは手放さないらしい。
「先程狐さんからお聞きしました。私が黄泉から戻れたのもお二人の尽力あってとか」
その礼を申し上げたいのです、とひれ伏したまま述べた。
「気にするな!」
「お、恐れ多い・・・頭を上げて・・・ください」
韋駄天は片手を振りながらあっさりと笑い、雷獣は顔を青くして自らも頭を下げた。
色々事情があるとはいえスサノオの息子である彼に頭を下げられるとは思いもよらない事。
「いつかこのご恩に報います」
そう言って上げた凛の顔は、神々しいほどの美しさがあった。
ぴちゃん、と外で雨粒が跳ねる。
「ま、それは何百年先でもノープロブレム!とにかく今は宴だ!!」
さぁいざ乾杯―――という所で強く戸を叩く音が部屋に響いた。
「何だよこんな時に」
鬱陶しそうに韋駄天が口を尖らせる。
いち早く狐が立ち上がり、見てくると玄関の方へ向かった。
「今日は・・・お客が多いな・・・」
「・・・客じゃねぇな」
ぽつりと呟いた輪の言葉に、狼の低い声が返ってくる。
「それって―――」
言いかけた輪の言葉を遮って狼は狐の後を追った。
その手にはしっかりと刀が握られている。
さらには凛までも武器を持って狼を追って出て行った。
「な、何なんだ・・・!?」
自らも追いかけようとする輪の腕を、韋駄天が引き留める。
急に勢いを殺され、べたっと床に座りなす羽目になった。
「何をする・・・っ!?」
「行かない方がいいよ」
答えたのは雷獣だった。
「外に良くないものがいるぜ」
目を細め、韋駄天が玄関の方を見詰める。
もちろん、輪の腕は離さないままで。
「だって、親分達が・・・」
「さっきあの凛って奴が結界張って行ったからこの中が安全なんだ」
それに俺は守ることしかできない、と韋駄天がどこか悔しそうに呟く。
外の不穏な気配は韋駄天が蹴散らしたはずなのに。
「でも・・・俺は・・行かなくちゃ・・・」
「無理だよ。結界が張られたから」
家から出られないよ、と雷獣がどこか諦めた風に言う。
しばらく押し問答が続いたが、埒が明かない。
輪は韋駄天の腕を振り払い、玄関まで急ぎ走った。
押しても引いても、叩いても感触はあるのに戸は音すら立たない。
傍の窓からどうにか外を覗けば、誰が倒れているのが見えた。
「誰だ・・・!?」
背中に冷たい汗が流れる。
よくよく見ると、それは巫女のような服を着た桃色の髪の少年。
そして、蝙蝠のような翼を背に生やした男の2人。
降り続く雨に混じって、彼らの下からは赤いものが滲んでいた。
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