日々の妄想の墓場。
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肩が凝って仕方がない今日この頃。
カバンが重いせいだろうか。
今日は自分の無謀さがよくわかった日でした。
授業の一環なんですが、まずローソクに火をつけて。
自分は目隠しをします。
そのままローソクにまで手を持っていくという授業。
もちろん周りに人がいて火に手が当たりそうだったら止めるというものだったんですが(変だけど一応普通の授業の一環らしい)。
しょっぱなにチャレンジしたのは俺。
俺「じゃ、いきまーす」
目隠しがあるので本当に何も見えない。
その上俺は指先が冷えてるので熱感というものがあまりない。
その間も手がじわじわローソクに近づいてるはずなのにわからない。
俺「まだいける」
皆「まったぁぁああ!!」
ものすごい勢いで止められました。
どうやらまだいける、と言ったあたりですでにローソクの半径5cm内に入っていたらしい。
お前は変な所で躊躇しないからこわいと言われました。
人がブレーキ踏むところでうっかりアクセルを踏むのがなんとも俺らしい。
冷え性、治さないとなぁ。
続きにフォリンでひとつ。
猟奇的な意味でR18。ちょっとトチ狂ってるのでグロ苦手な人は見ないでください。
『道外れの第一歩』
例えるならば、それは歌。
彼らは2人きりで踊るように闘っていた。
ブラスターの閃光が金糸の髪を焼き、鋭い剣が獣の服を掠る。
撃っては斬られ、斬られては撃って。
テンポの速いその足元はすでに赤い滴りが点々と落ちている。
「リンク」
「フォックスさん」
彼らは笑っていた。
邪魔するものは誰もいなかった。
今日が全ての別れの日だからだ。
皆を引き寄せたこの大会が終わる最後の日。
離れ離れとなる日だった。
遡ること、昨日の夜半。
『フォックスさんと、明日でお別れなんですね』
月明かりは鈍く、月自体闇に食われかけたように歪んでいる。
その光の中に浮かび上がった彼はひどく気落ちしていた。
『そうだな・・・俺は楽しかったよ』
『私もです。もっと・・・一緒に・・・』
『俺も、もっと一緒に居たかった』
リンクはフォックスの手を取り、自らの唇に持っていく。
まるで何かの洗礼のような行為を、フォックスは黙って見ていた。
『フォックスさん、私と一緒に行きませんか?』
『それは・・・そうしたいけど、できない。世界が違うんだ』
『私はフォックスさんの世界に行きたい。離れたく・・ない・・・』
普段凛とした彼の声が泣き声に変わっていく。
フォックスはその涙を止める術を持たず、ただ身体だけを慰めた。
恋しい愛しい人。
離れて生きていくなどと、できるはずがない。
カチン、と2人の狂ってはいけないヒトの歯車が、狂った。
「フォックスさん」
「リンク」
彼らは呼び合いながら寄って離れて闘いのダンスを繰り返した。
「フォックスさんが負けたら、全て私が食べてあげます」
リンクは恍惚の表情でフォックスを刻みながら酔ったように囀る。
長持ちするよう肉は塩に漬けて、骨はゆっくり噛み砕きます。
舌や目や内臓も、大事にいただきます。
少しぐらい苦くたって残したりはしませんよ。
温かい内に全部は食べきれないでしょうけれど、できるなら心臓は温かい内がいいですね。
ああ、もちろん血も飲み干します。
毛皮はきれいにしてずっと身につけます。
ずっとずっと、死んでも私と一緒にいるんです。
リンクがそうする映像を目に浮かべフォックスが笑った。
鋭い彼の剣が銃を握る腕を斬る。
瞬間、彼のきれいな顔に赤が散った。
「じゃあ俺はリンクごと持って帰るよ」
きっと冷たくて、重たいんだろうから背負って帰るよ。
すぐにそっち系の業者に回してコーティングしてもらうよ。
まるで生きてるような人形にしてもらってさ。
その時リンクはすごく軽くなってるんだろうけど、いいよな。
瞳も閉じることができないだろうけど、俺はリンクの瞳をずっと見ていたいし。
青色だから海や空が恋しくなることはなくなるよ。
リンクがずっと居てくれるおかげだ。
それで俺が死ぬ時、一緒に宇宙に流れよう。
こう、手を絶対解けないようにぐるぐるに巻いて、さ。
・・・なんだか心中するみたいだな。
フォックスのブラスターの弾がリンクの膝を貫く。
同時に弓で同じ膝を打たれ、彼らは同時に地面に倒れた。
荒い息を整えながら互いに見据える。
「なぁ、俺達幸せなのか?」
フォックスが問う。
彼の身体はすでに悲鳴を上げていた。
「ええ、幸せですよ・・・一番じゃないけど、幸せなんです」
リンクは微笑んで頷き返す。
彼の身体も限界だったが、心が引きずる身体をさらに舞わせた。
自分が幸せである時、誰かが泣いている。
自分不幸である時、誰かが笑っている。
リンクが幸せであればフォックスは笑えた。
フォックスが幸せであればリンクは笑えた。
今は、お互い笑いながら泣いている。
ぽたぽたとフォックスの頬を流れる、血の混じった涙。
「リンク、俺はリンクに生きていて欲しいよ」
「私はあなたがいなければ生きていきません」
「どうしても?」
「フォックスさん・・・もし置いて行ってしまうなら、私は今自分の首を刎ねます」
ぴたりとリンクが自らの白い首筋に赤濡れた剣を当てる。
「やめろ!!」
「・・・はい。では、フォックスさん、あなたが私を・・・」
抱き締めて欲しいようにリンクが両腕を開いた。
あ、あ、あ、あ、と耳を劈くような悲痛の叫びが辺りに木霊する。
「泣かないでください、フォックスさん」
「だ、だって俺は生きているリンクが好きだ!笑ってるリンクが好きだ!人形なんて嫌だ!!」
「生きているから一緒に居られないのです」
失わなければ共に居られない。
価値も何も全て横にやって、狂気で孤独を紛らわせるために。
「フォックスさん、愛してます」
ずるり、ずるりとリンクが地面を這いながらフォックスに近づいた。
やがて手が触れ肩が触れ、互いに武器を握ったまま抱き合う。
血の香りしかしない空間ができた。
「俺だって・・・でも、嫌だ、死ぬのも殺すのも嫌だ」
「私は殺したいほど、死にたいほど愛しているのに」
リンクの唇がフォックスの涙を拭う。
やっぱりおいしい、とリンクは心の中で呟いた。
「仕方がありません」
「な、何・・・?」
「私が剣で貫きますから、フォックスさんも私の胸を撃ってください」
「・・・心中ってこと?」
「ええ。そうすればどこにもいかないですみます」
ふら、とフォックスの陰った瞳がブラスターを見詰める。
リンクは迷うことなく腕を上げ、剣をフォックスの首筋に触れさせた。
「リンク・・・」
「フォックスさん」
「・・・すまない・・・」
「・・・ありがとうございます」
柔らかな口付けを交わした後、2人分の血飛沫が上がった。
例えるならばそれは歌。
叶わない望みの中で最期の恋を歌う歌。
同じ世界ならば実ったかもしれない恋はそれより生まれた狂気で終わる。
人の想いも度を過ぎれば狂ってしまう。
ただそれをずっと恋や愛だと呼ぶために、彼らは共に居る道を。
人外はずれたその道を、一歩踏み出したのだった。
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